WORKS

T邸リノベーション

東京、日本

マンションリノベーション

85m2

2021.1竣工

ロンドン時代のフラットメイトからの築40年のマンションのリノベーションの依頼。
5階に位置する大きめのテラスを持つ住居で、日本の多くの、このサイズのマンション同様、部屋数を確保するために、リビングを犠牲に3LDKという間取りだった。
今の生活では1LDKしか必要にならないことから、部屋を統合し大きなLDKをつくることからデザインを始めた。将来、結婚をし、子供ができる場合や客人をを泊める場合を想定し、ベッドルームのクローゼットを可動にし、それにより新しい部屋ををつくることができるフレキシブルな提案とし、あまり将来の暮らしにフォーカスし、今の暮らしが犠牲にならないよう配慮した。
「2つの回遊動線と建具による空間表現」
平面的にはLDKと寝室に面して大きなテラスがあり、テラスを外部リビングとして計画することで、テラスを介してLDK→テラス→寝室→LDKという回遊動線をつくる。それに加えて、寝室から玄関への動線を通すことで、もう一つの回遊動線(寝室→玄関→LDK→寝室)をつくり、LDKと寝室を共有する二つの回遊動線を持つ回遊性・フレキシビリティの高い室内空間を確保している。
また、建具の引手詳細を部屋や収納ごとに用途や場所に合わせてデザイン、大きさをあえて変えることにした。伝統的な茶室の建具が、茶道口、給仕口、躙口、貴人口など異なる寸法や異なる意匠を持たせているように、建具は扉を開けるという特別な瞬間に立ち会う装置であり、小さな面積に様々な異なる空間を詰め込んだ茶室において、その空間ごとの表現を見事につくりだしていると言える。住空間においても、建具に手をかける瞬間は、異なる機能を持った部屋から部屋へ移る特別な体験であり、茶室建具のディディールによる空間表現手法を住宅にもあてはめ、LDK、寝室、WC,浴室、収納と建具詳細をそれぞれデザインすることで、性質のことなる空間の間にある扉を開けるという特別な瞬間を際立たせ、日常生活における空間体験を豊かにすることを目指した。

T邸リノベーション

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