WORKS
森商店(赤嶺街プロジェクト)
台北市、台湾
物販店
70m2
2022.8竣工
森商店は、日本のカップ酒に特化したお店を台湾でつくりたいという森氏の趣味のお店である。
カップ酒は、ワンカップ大関に代表されるガラスコップに入った日本酒で、そのほとんどが180ミリリットル(一合)くらいの量でつくられている。以前は普通酒や本醸造のものが殆どで、おじさんの飲み物という印象だったが、近年立ち飲み屋などの需要から、多くの種類がつくられ、凝ったデザインの全国各地の地酒カップなどが売られるようになった。
このように日本独自の発展を遂げた特殊な規格のお酒(ワンカップ)が、近年、多くの酒造が様々なワンカップをつくり始め、イケてないおじさんのお酒から、洗練された飲み物へと変化の兆しを見せているのがおもしろいと思った。
この小さな規格のお酒(ワンカップ)をインテリアデザインにどのように反映させるかを考えることにした。
180ミリリットルという小さな規格で展開されるカップ酒が、一つ置かれたときによく見えるための木でできた三角柱形の展示台をデザインし、それらを寄せ集めて什器をつくることにした。すべての什器がカップ酒専用の展示台の集合体ということは、どこに置いても、カップ酒がうまく展示することができるということになる。
さらに、いくつかの什器では、展示台ユニットの高さを25mmずつずらし、地形のような展示面をつくることで、カップ酒が点在するかのように展示できるようにした。
この小さな専門店は、店舗空間を同一規格(展示台ユニット)で構成することで、カップ酒という同一規格で展開されるお酒を表現するとともに、安価なイメージのカップ酒を特別なプロダクトへ昇華させることを試みている。